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井上医院
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生活習慣病がまねく病気

心筋梗塞

心筋梗塞

高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を放置していた人が、突然胸の激しい圧迫される痛みを覚え、1時間してもおさまらず、やがて吐き気や冷や汗も出現すれば、心筋梗塞の発作かもしれません。そのまま死亡することもある危険な病気(死亡率1/4)です。直ちに救急車で専用の病棟に入院し治療を開始すべきです。
心臓の筋肉に血液を送る血管(冠動脈)が詰まって筋肉が壊死する病気です。動脈硬化で狭くなっていた内空に血栓が付着して塞がってしまったのです。心電図と血液検査でこの壊死(梗塞)が証明されれば診断が付きます。カテーテル検査で冠動脈の閉塞が証明されれば更に確かです。
発症1時間ほどでしばしば心室細動という致死的不整脈が発生します。心臓の収縮力が筋肉の壊死により弱まると心不全が、筋肉が裂けると心臓破裂が起こり死亡します。入院数日間はベット上絶対安静、一命をとりとめて約1月後に退院できても、余生は再発作予防の薬を飲み、生活習慣病の治療にも専念せねばなりません。
心筋梗塞の患者さんの2/3は、発症前に「狭心症」という15分間ほどの軽い発作を何度か経験しているはずです。心筋梗塞の前兆です。冠動脈の内空が狭くて血流が不足するために起こります。まだ心筋の壊死は起こってないので、この段階で治療すれば心筋梗塞の発症を予防できます。

脳卒中

脳は司令塔です。環境の変化に対応するため、五官から集めた情報を分析し、判断し、下した決定を筋肉や内臓などの器官に伝えます。多くの機能が限られた容積の中に詰め込まれているので、脳が損傷されるとその容積が大きくなくても複数の機能が同時に障害されます。例えば、言語障害と半身麻痺など。また、頭蓋骨内部はふさがれたスペースで逃げ場がないため、中の脳が腫れたり出血したりすると圧力が上昇し意識が障害されます。さらに上昇すると、生命の中枢である脳幹が脊髄の通る小さい穴に押し出されつぶされるので、呼吸や心臓が停止します。
脳の異変が原因で突然倒れる病気を脳卒中と呼びます。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍などがあげられます。

脳梗塞

脳梗塞は、動脈硬化で狭くなっていた血管内空に血栓がつまって起こります。脳細胞へ血液が行かないと、神経症状が出現します。どの動脈が閉塞するかによって症状が異なります。血流の遮断が数時間におよぶと、細胞が壊死し回復しない症状が残ります。この壊死した細胞の塊(梗塞巣)が大きいと死亡することもあります。逆に、小さな梗塞巣が多数できると、痴呆の原因になります。

脳出血

脳出血は、動脈硬化で脆くなっていた血管壁が血圧の上昇で破裂して起こります。血圧が200を越えると危険です。脳内に出血するので、周囲の神経細胞が強く圧迫されて症状が出現します。破裂する部位によって症状が異なります。多くは意識が障害され、生命が危険です。

くも膜下出血

くも膜下出血は、血管にできていた壁の薄いこぶ(脳動脈瘤)が血圧の上昇で破裂して起こります。くも膜の下に大量に出血するので、激しい頭痛と意識障害が特徴です。生命予後は最悪で、多くは昏睡ののち死亡します。

脳腫瘍

脳腫瘍は、容量が増大して周囲の神経細胞を激しく圧迫するために症状を来たします。手術し切除しないと死亡します。

脳卒中が発症した直後はどこまで重篤になるかわかりません。軽くみえても徐々に意識が低下して死亡する例もあります。直ちに入院したほうが無難です。主に脳圧を下げる治療が行われます。また、退院しても再発予防のために生活習慣病、特に高血圧の治療を充分に行うべきです。壊死は起こってないので、この段階で治療すれば心筋梗塞の発症を予防できます。